自然栽培で作物が育つ土へ。大切な3つのポイント。

自然栽培で作物が育つ土へ。大切な3つのポイント。

植物のみが土を作ることができる

地球では4億年前から、バクテリア・微生物・原子生命・藻やコケが岩に発生し、有害物質をエサにして酸素を排出していました。
バクテリア・微生物・原子生命・藻やコケなどは、地球外エネルギーである太陽光をエネルギーとし、光合成を行って有機物に変換して生きてきました。
岩石の上に苔が侵入し、その苔が死んで土になります。

表土1cmをつくるのに、自然界は100年以上の時間を要します。
珪藻土は昔、その微生物達が死んで堆積した土なのです。
土づくりは人ではできず、植物のみが土を作ることができます。
なぜなら、土は植物の残渣でできているからです。
沢山の量の植物の根が、枯れて沢山の栄養分になります。
土の中に化学肥料や有機肥料が入っていれば、野菜は根を張らなくてもいいので、野菜の根はとても小さくなり、
いずれ土の中の有機物が足りなくなります。

作物が育つ土の大切な3つのポイント

自然栽培・自然農で、作物がしっかりと育つ土は、どんな状態の土だと思いますか?

想像してみてください。
もし、あなたが『種』だったら、どんな土に包まれて育ちたいですか?
カチカチに固く、冷たい、ジメジメとしたベッドで寝たいしょうか?
それとも、フワフワで柔らかく、暖かくて気持ちのいい快適なベッドで寝たいでしょうか?

作物が育つ土の3つのポイントは、
1 .柔らかい土
2. 温かい土
3. 水はけ水もちの良い土

です。
肥毒層を壊すことで、柔らかくて温かい土になり、
植物の残さにより、団粒構造化され、水はけ水もちのよい土になります。

逆に、作物が育たない要素は、
× かたい土
× 冷たい土
× 水はけ水もちの悪い土
です。

肥毒層を見つけて壊すことが自然栽培を成功させるコツ


まず、自分で土を掘ってみて、昔が何だったか、土の状態を知るために温度計をあててみよう。
冷えているところが、汚れているところ。それが『肥毒層』です。
肥料を100入れると、作物がその土に入っている肥料を吸い取るのは、だいたい20くらいと言われています。
残りの多くは、土の中に残留し、それが層となっていきます。
この層を肥毒層といい、この硬くて冷たい層ができると、水はけが悪くなります。
水はけが悪くなると、病原菌が発生しやすくなり、硬いので、長い根の作物は育ちにくくなります。
この肥毒層があると太陽と月のエネルギーが下へ届きません。
0~60cmまでだけでなく、140cm下まで黒い土が、自然栽培的にいい土です。
自然栽培では、麦やとうもろこしなどの植物の根の力を借りて、肥毒層を取る方法が確立されてきました。
しかし、あまりにも土が硬すぎて植物の根が伸びていけない場合もあります。
その場合は、事前にサブソイラーなどの機械で土を砕いておきます。

自然栽培での、残渣の使い方

畑でとれた残渣を取り出して、1年以上置いておくとミミズやハサミムシがやってきて、土になる(平均2~3年で土になる、その土地の気候による)。
残渣が土になると、虫はきれいサッパリ消えています。

有機栽培では、土にそのまま残渣を入れるので、それを分解しようと、土の中にミミズやハサミムシ、コガネムシなどが発生します。
ミミズがいるうちは、まだ発展途上の土です。
自然栽培の出来上がった土にミミズはいません。

自然栽培の畑では、やがて土が出来上がると、草が生えてこなくなる

畑でやっかいものの扱いを受けることの多い『草』。
全てのものや生物に、何かしらの意味が必ずあるように。
草にも、それぞれが存在する意味や役割があります。
草も植物。野菜も植物。
土を作ることができるのは、植物だけ。
空き地や耕作放棄地など、第1段階の土の状態では、まず、ススキやセイカアワダチソウ、チガヤなどの背丈の大きい草が生えてきます。
この背丈の高い草達は、その背丈の高さと同じくらい、地中深くに根を張ります。
彼らは、土を進化させるために、生えては枯れ、枯れては生えを何年も繰り返します。
ススキやセイカアワダチソウなどの背丈の高い草が消えると、次に、第2段階の土の状態では、背の低い違う草達が生えてきます。
カラスノエンドウやヨモギ、メヒシバ、ねこじゃらしなどです。
彼らもまた、土を進化させるために、生えては枯れ、枯れては生えを数年繰り返します。
次に、生えてくるのが、ハコベ、オオイヌフグリ、スベリヒユなど第3段階の草達。
彼らが自然と生えてくるような状態になれば、その土が作物を育てられる土に進化した証拠です。

その後も自然栽培を続け、栽培している野菜に合った土になっていくと、ほとんど草が生えてこない状態になり。
土を進化させる必要のなくなった草は、役目がないので生えてこなくなります。

ここまでかかるには、その土に今まで入れてきた肥料の量や種類によるので、その場所によりかかる年月は変わります。
土の中から、自然栽培に不要な肥料分を取り除いていくことができたら、野菜を育てることが今よりもっと楽しくなる。

自然と共存しながら。野菜を育ててみよう!

Do natures(ドゥネイチャーズ)では、2012年から、畑で栽培を始めています。
最初に始めた1か所は、草の力を生かす自然農法。
2014年から始めたもう1か所は、草を生やさず、土を耕し、作物で土を進化させていく自然栽培。
どちらも、無施肥・無農薬。生えてきたもの以外は、何も持ち込みません。
それぞれの過程で、作物や土の変化、自然を楽しみながら、観察を続けます。
”自然栽培や自然農法で、野菜を育てる人・応援する人を増やす。”
今、種まきしていることが、未来の世界を作ります。
次世代に続く未来へ、いい種をまいていきましょう。