きゅうりを育てる。沢山できたら 保存食 を作ろう! ~長期保存食のススメ~

きゅうりを育てる。沢山できたら 保存食 を作ろう! ~長期保存食のススメ~

夏の火照ったカラダに、きゅうりがしみる

夏野菜の代表、きゅうり。
生のまま パリッとしたみずみずしい口当たりが、夏の火照ったカラダにしみわたります。
きゅうりの原産地は、インド北部からネパールのヒマラヤ山麓で、一般的には5月~9月頃に多く出回る夏野菜です。

暑い夏。火照ったカラダの熱を、やわらげてくれるきゅうり。
夏に食べたい野菜の No.1!といっても過言ではありませんね。

 

地を這って育つ 「地這えきゅうり」

きゅうりは一般的に、タネをポットにまき、苗を育てて畑に定植することが多いと思いますが。
Do naturesでは、在来種の地這えきゅうりのタネを、5月末~6月頭に畑に直播しています。
春に苗を作って畑に定植することもトライしてみましたが、直播したほうが、その後の成長に力強さを感じるからです。
どちらの方法にも、間違いはありません。
苗を作ったほうが、早い時期に収穫出来るということです。
春に苗を作って畑に定植。そして、5月末~6月頭にタネを畑に直播。
両方やられてみると、収穫できる時期も広がりますし、
何か違いを感じられたら、それも面白いかもしれません。

ちなみに、Do natures で自家採種を繰り返し育てているきゅうりは、下津井在来という「地這え」きゅうりです。
その名の通り、「地」を「這う」ので、支柱を立てたり、茎を麻ヒモで結んだりはしません。
土の上を、じかに、きゅうりの茎が這っていきます。


『土の上をじかにきゅうりが這っていくだなんて、きゅうりが汚れてしまったり、腐ってしまったりしないの?』
そう思うかもしれません。
確かに、地這えきゅうりの下には土がついていたりもしますが、軽く土がつく程度で、手で払うか水で洗えばサラッと土はとれます。

『きゅうりが、じかに土についている部分を、虫に食べられてしまうことはないの?』

何年も循環を繰り返し、土中の不自然な成分が浄化された、
微生物がたっぷりの自然栽培・自然農の畑では、そのようなこともありません。
自然のサイクルで、豊かな土になっているから、無施肥 無農薬 で 立派に育ちます。(写真は無施肥9年目の土)

育ててみるとわかる、きゅうりのこのトンガリ。先がものすごくとがっていますね。
みずみずしく、新鮮な証拠です。
収穫すると、数十秒後くらいから、あっという間にこのトゲトゲが萎えていきます。


激しいトンガリの刺激を体感できるのは、実際にきゅうりを育てている方だけかもしれないですね。

きゅうりは、梅雨の時期の雨など、水分を好みます。
自然農で通路に草をは生やしている場合には、土中の保水力が高いので、畑でわざわざ水をあげる必要はありません。
あまり雨が降らない日が1週間ほど続く時には、根元に水をたっぷりとあげるのがよいでしょう。

きゅうりの苗に、最初の実が出来始め、それを収穫すると、また次々と実をつけていきます。
家庭菜園で、何株もきゅうりを栽培していると、どんなにみずみずしく美味しいきゅうりでも、さすがに食べ飽きてくるでしょう。(← ある意味、贅沢な悩みかもしれないけど・・・)

そんなときには、夏を過ぎても食べられる『保存食』を作りましょう。
いざという時の、美味しいオカズや、箸休め、おつまみにもなりますよ。

(↓ きゅうりを切って、ごま油・塩・しょうゆ・唐辛子・ドライニンニク、で和えたもの)

 

保存食① 『ドライきゅうり』 ※調理なし! 切って、干すだけ。簡単保存。


用意するもの

・きゅうり
・ざる または 干しかご

    1. きゅうりを洗う。
    2. 水気を取って、包丁でうすくスライスする。
    3. ざる または 干しかご に入れ、太陽の光が当たる風通しの良い場所で、天日干しする。
    4. 乾燥しきったら、袋に脱酸素剤を入れ、シーラーで、シールする。(または、湿気に十分注意して、ジップロック保存。ジップロックの場合は賞味期限1カ月程度と短め)
      ※完全に乾燥していないとカビる原因になるので3~4日以上干して完全乾燥とする。

ドライきゅうりの使い方
完全乾燥のドライきゅうりは、水でもどして和え物にしたり、乾燥したまま炒め物や炒飯の具に入れたり、
漬物やピクルスにする場合はドライのまま漬け汁に入れれば1日程度で漬物やピクルスに。

 

保存食② 『ピクルス』 ※これは、よくあるパターンなので説明は簡単に・・・

用意するもの

・きゅうり   3~5本
・塩(板ずり用)
・ワインビネガー または お酢 350~500cc
・砂糖     大1~1.5
・ブラックペッパー(黒胡椒) 8粒くらい
・ローリエ   3~4枚
・唐辛子 1~2本 輪切り
・ディル(あれば! あったら入れると美味しい) 少々
・保存瓶

①鍋に、ワインビネガー(酢)・砂糖・ブラックペッパー・ローリエ・唐辛子 を入れ、一度、煮立てたら、火を止めて冷ます。
②きゅうりを水で洗う。洗ったきゅうりに塩をまぶし、まな板の上で転がして、表面をこする(板ずり)。そのまま、キッチンペーパーなどで、きゅうり表面の水気をとる。
③保存容器に入るようにきゅうりをカットしたら、保存容器にきゅうり詰め込む。もしあれば、ディルも入れる。
④①で作った冷めた漬け込み液を、保存瓶に注ぎ入れる。空気に触れないよう、液をたっぷり入れる。
⑤2・3日、数日で浅漬けで食べられるが、冷蔵庫に入れて数年は保存可能。

 

保存食③ ◎本命はコチラ 『奈良漬け』!!  ※長期保存したほうが美味しいやつ

用意するもの

・大きくなりすぎてしまったきゅうり(もちろん普通サイズでもよい)1.3kg
・塩 325g(漬けるきゅうりの重量20%)
・酒粕 2kg
・砂糖 500g
・保存容器 または 保存袋

①きゅうりを洗う。
②きゅうりにまんべんなく塩をふりかけて、1週間 塩漬けにする(塩漬けにすることできゅうりの余分な水分を排出させる。殺菌効果もある)。
③きゅうりの中の水分が十分に抜けたら、取り出して表面の水分をふき取り、1日半 陰干しにする(素材の甘みが増す)。
④陰干しして乾燥したきゅうりを酒粕に漬ける。可能であれば、5~6回新しい酒粕に漬け重ねる(塩漬けにしたきゅうりの塩分を酒粕に移し、塩分濃度を下げていく)。酒粕の旨味とアルコールもきゅうりに浸透していく。
⑤仕上の漬け込み時、酒粕に砂糖を混ぜ、2年半~3年ほど長期熟成する(べっこう色になるまで熟成させることで、しっとりと、旨味が増していく)。乳酸発酵により旨味も蓄えられる。
⑥2年半~3年後、きゅうりを取り出し、流水で洗い流す。包丁で食べやすくスライスして、皿に盛り、完成。

奈良漬け 漬け込み 熟成中・・・

奈良漬け、漬け込み中の、酒粕ときゅうり。
色の変化を見てみよう。

↓ 酒粕に漬けてから10カ月経過したもの

 

↓ 酒粕に漬けてから1年10カ月経過したもの

 

↓ 左(1年10カ月経過) と 右(10カ月経過)

明らかに、色が変化している・・・。

漬け込んでから、ずいぶん時間が経ったようにも思えるけど、まだ。美味しくなるための待ち時間。
2年半後、3年後が、なんとも待ち遠しい・・・・!

(※奈良漬け完成後、記事更新します)

番外編 保存食を作るのは面倒。だけど、美味しく食べたい方へ。

「保存食を作るのは面倒くさい」
「保存食を作るまでもない。でも、食べきれない」

という場合、生食きゅうりに飽きたら。
思い切って、きゅうりを炒めて食べよう!

トマトなどの夏野菜と、にんにく、ハーブ、塩コショウ、レモン、とシンプルな味付けでも美味しく食べられる。

まずは、タネをまいてみよう

土から肥料成分などの不純物の浄化さえ済んでいれば、
きゅうりは、比較的、無施肥でもじゅうぶん、育ちやすい野菜。
『とれたてのきゅうりを美味しく食べたい!』
『きゅうりの激しいトゲトゲを体感してみたい!』


『広大なプランターを作って育てたい!』
そんなあなたは、まずは、山へ行き、
落ち葉の下にあるピュアな自然の栄養がたっぷりな山の土を用意しよう。
肥料を入れていない庭の土なら、そのままで良い土になっているかもしれません。
手の届く範囲でいい。
命が続く 固定種・在来種のきゅうりのタネをまいてみよう。

自然栽培・自然農法。固定種・在来種のタネを入手できるサイト5選