もし、庭に実がなったままの柿の木があるとしたら

もし、庭に実がなったままの柿の木があるとしたら

肥えやすくも、うれしい「食欲の秋」がやってきた。

秋はまるで、地球上の植物達の集大成期なのか、とも思う。

毎年、秋になると、植物たちは豊かに「実」をつける。

たとえば、森を歩くと落ちているどんぐりだったり、トゲトゲとした見た目が印象的なイガ栗だったり。

秋には何かしらの「実」がなっているところを、あなたも見たことがあるかもしれない。

その中でも、あらゆる料理につかえるものがある。

家の庭木で見かけることも多い、秋の果物の代表「柿」である。

なぜ「柿」なのか。

その理由は明確である。果物として、非常にポテンシャルが高いからだ。

そのまま食べても美味しいし、様々なモノに加工して使うとさらに美味しさも広がるのだ。

柿を使った料理のバリエーションがどれくらいあるのか、もはや、私にも計り知れないのである。

 

一般的に、家庭の中で、秋の「実」といえば、その代表は「栗」だろう。

栗ごはん、栗おこわ、栗きんとん、栗まんじゅう、モンブラン。

主食から和菓子やケーキといったデザートまで、様々な料理でその季節感をあらわす。

秋になると料理番組でも「栗」いち推しが多く、一般的にも、「秋には栗を食べるのだ」そう思う人も多い。

 

「栗」がどんなに秋いち推しの実だと言われても、「秋の実No.1」と私が思っていたのは、「柿」だった。

私は、昔から常々、「柿」についてこう言ってきた。

 

「甘みと旨味。生でそのまま食べてもおいしい柿は、とてつもない可能性を秘めている。アイデア1つで、この果実は圧倒的に美味しい料理になるだろう」

 

今秋、庭に大きな柿の木があるお宅にて、柿を収穫するイベントが行われた。

12m以上ある大きな柿の木は、いつからか、毎年実がなったまま放置されていたらしい。

それは私にとって。まるで、目の前に、大好きなおもちゃを山盛プレゼントされたようなものだった。

柿への愛を遺憾なく発揮するチャンスが、まさに今、私にやってきたのだ。

 

柿は、大きく分けて2種類ある。

甘柿と渋柿だ。

甘柿は、名前の通り、そのまま生で食べても甘くて美味しい柿。

不思議に思うのは、渋柿だ。

庭木でも、たまに、渋柿が植えてあることがある。

渋くてそのまま食べられない柿を、なぜわざわざ庭という大事なスペースに植えるのか。

以前は、不思議で仕方なかった。

毎年秋に渋柿を探し、わざわざ購入する人もいる。

渋柿を購入する、主な目的は、干し柿だ。

世の中には、干し柿ファンが結構いて、皮をむいて屋外にヒモで吊るし、自宅で干し柿を作り食べるのだ。

 

実はこの干し柿のパフォーマンスは際立っている。

まず、味だ。

干し柿はそのまま食べても自然の甘みが凝縮した和菓子のようでもある。

実際、高級和菓子に干し柿が使われることも少なくない。

干し柿は、生のままより栄養価もアップする。

干すことで、水分が蒸発し、乾燥していくことで、ミネラルやβカロチンが圧倒的に増えるのだ。

1本の柿の木になる実は、約20個~、大きい木になると数百個、になることもある。

同時期に、数多くの柿の実を、消費するのは難しい。

しかし、干し柿にすることでゆっくりと消費できるのだ。

「そうか。冬の果物はみかんや柑橘類が多いけど、干し柿があると冬にも柿が食べられるんだね!」 話を聞いていた友人は言った。

甘柿のパフォーマンスはさらに際立っている。

保存食として有名なのは、「柿ジャム」や「柿のシロップ漬け」、「柿酢」だろう。

子どもや女性が大好きな甘いスイーツとしても柿の良さを生かせるが、甘さを引き立てる塩気や乳製品と合わせることにより、子どもや女性だけでなく、男性をも満足させる。

おかずや、お酒のアテにもなるメニューがオススメだ。

「柿の生ハム巻き」「柿なます」「柿の白和え」「柿とチーズのグリル」「柿とナッツの野菜サラダ」など。

柿と塩気、食材との合わせ方に気付くと、バリエーションは無限に広がっていくのだ。

極めつけは、「柿バター」だ。

完熟した柿のペーストと、角切りにした柿の果実、そこにバターを加えてできるのだ。

焼いたバケットの上に、柿バターを塗り、軽くトーストする。

柿の自然な甘味と、じゅわっと広がる濃厚なバターの風味がたまらない一品だ。

 

もし、あなたの庭に柿の木があって、毎年実をとらずにそのままにしているとしたら、

「あぁ、この沢山の実がめちゃくちゃ美味しい料理に変わるのか」と想像してみてほしい。

柿は間違いなく、デザートだけでなく、美味しい料理にもなるだろう。

料理を作ったあなたは、間違いなく、食べた人を笑顔にする。

「この美味しい料理は、まさか、あの庭の柿なのか?!」 と。

 

きっと、家ごはんに新しい風を吹き入れてくれるだろうと思う。

けれども、別に興味がないから柿の実はとらないというなら、結構である。

むしろ、そのほうが私にとって都合がいい。

 

「知る人ぞ知る美味しい柿料理」として。

私が、柿にさらなる活躍の場を広げていこうと思う。

 

試しに、私はまた新しい柿料理を試作中だ。

 

「柿も、絶品料理になるんだよ」

え? 柿が? と友人は笑いながら言っていたが、私が決してマズイものを勧めないということを知っている。

「柿を料理するって、あまり考えたことがなかったけど、美味しい料理にもなりそうだね!」

友人は笑顔で言った。

 

「大自然がくれた恵みで、ちょっと楽しんでみる」

「目の前にあることを、面白がってみる」

それもまた、人生の、豊かな時間になっていくのかもしれない。

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