自然栽培・自然農法って何だろう?

 自然栽培とは

『自然栽培』とは、一般の農業のやり方で、農薬や肥料を使わず、自然の法則に従い、

土自体が本来持っている力を最大限に発揮させる栽培方法です。

自然栽培では、化学肥料、有機肥料、人や動物の糞、動物の糞の堆肥、肉骨粉、魚粉、油粕、米ぬか、くん炭、農薬など外部から持ち込むものを一切使用しません。

その場に天から降ったもの、その場に地からわいたもの、でのみ循環させます。

自然栽培では、『火素』、『水素』、『土素』の3つのエネルギーが合わさり、養分ができると考えます。

そのため、まず、過去の肥料や農薬によってできた『肥毒層』(新陳代謝を阻害する)を見つけ、壊します。

『肥毒層』を壊すことで、地球の深部からの『土素』エネルギーを通りやすくするためです。

毎回、畑の土を耕し、麦や大豆を栽培し、自然に循環させることで、生命の根源である土をきれいに浄化していきます。

自然栽培で野菜を育てるには、土だけでなく、種も自家採種し、浄化していくことが大切です。

種と土を浄化し、自然や宇宙のエネルギーを循環させていく栽培方法です。

畑で出た残渣(ざんさ)を、1年以上かけ堆肥にして使用します。

自然栽培では、作物を同じ場所で栽培し、その場所で採れる種を自家採取していくことで、その作物が育ちやすい土とその環境で育ちやすい種になっていきます。

常に草を除草し、同じ場所で種を自家採取することを繰り返すことで、まったく草が生えずその作物しか育たない畑になっていきます。

そして、さらに大切なことは、畑(陸地)と田んぼ(水辺)では生態系も違うので、田んぼで出た稲藁を畑に入れることもしません。

「その場において元々存在しないものは、その場において必要のないものなのだ」

自然栽培の畑の土に田んぼの稲藁を入れると、乾燥時にはひび割れたり、雨が降ると水はけが悪くなったり、田んぼの様な土へと変化してしまいます。

自然界を思えば、自然の循環で田んぼのものが畑に入ることはありません。

自然栽培の野菜は、肥料を使わないので、一般的なものよりもゆっくり育ちます。

そのため収穫も一般的なものより、遅くなります。

育ちはゆっくりですが、1つ1つの細胞がしっかりと育つため、中身の凝縮した重みのあるものになります。

自然栽培の野菜は、活性酸素除去能力が高いと考えられています。

「自然農法」・「自然農」とは

『自然農法』とは、福岡正信さんの提唱する農法。

諸外国でも有名な福岡さんの代表作『わら一本』にもあるように、「耕さず、草を取り除かず、何もしない究極の自然農法」。

『自然農』とは、川口さん、赤峰さんなど、いろいろな代表者がいます。

川口式自然農は「耕さず、肥料・農薬を用いず、草や虫を敵としない」という三原則がある。

川口さんは「放任」ではなく、あくまでも「栽培」する認識が必要だと言われています。

自然農法・自然農とも、土を耕さず、草の力で土を肥やす、虫や雑草の力を生かした栽培方法です。

基本的に、畑にはいつも草を生やし、作物を雑草と共存させます。

「その場から、何も持ち出さず、持ち込まない。」とされていますが、実際にはその場に合わせて、各々が自然と向き合ったうえで、やり方は人それぞれあるようです。

(油かす・なたね・米ぬか・くん炭など、何かを土に入れる農法は『有機栽培』となります)

大型機械等は使用しないので、設備投資がほとんどかからず、畑や田んぼがあれば経済的に始められるので初心者や家庭菜園にもむいています。

自然農法・自然農で、草を土に入れる時は必ず、枯れてから入れます。

青いまま土に入れると、青い草をどうにかしようと、虫や病気が発生してしまうからです。

考えてみてください。自然に、青い草が土の中に入り込みますか?自然界では自然に青い草が土の中に入ることはありません。

草は、枯れたものが土の上に倒れ、風雨に当たり、土と馴染み、分解され、土に入っていきます。

刈った青い草は、そのまま土の上に置きます。置いた草は枯れるとそのうち土に分解されます。

自然栽培と自然農法の違い

自然栽培と自然農法の違いは、『草を生やすか、生やさないか』『土を耕すか、耕さないか』などといったところですが、

どちらも自然を尊重し、自然と調和した農を目指す、目的は同じです。

自然栽培は、『肥料不要・農薬代不要・労力削減・収量UP』農業として就農して生計を立てたい方にオススメの栽培方法です。

初心者や家庭菜園で、まず始めやすいのは、手軽に始められる自然農法かもしれません。

目指すゴールは同じなので、実際に畑でやって経験してみることで、人によっては区分けなく自然農法と自然栽培を融合したり、その環境その畑にあった独自のやり方をしている人もいます。

自らの目で自然を見て、作物の声を聞き、五感や肌で自然を感じる。

『自然環境を壊さず、土を汚さず、自然と調和した環境で、豊かに作物を育てる』ことが大切なのではないでしょうか。

自然栽培・自然農法は、ほったらかしでいいの?

自然栽培や自然農法は人工的な場を『自然の法則に従って行うこと』、であり、

野原そのままではありません。

実際に始めてみればわかりますが、自然だからといって、何もしない野生では野生の野菜しかできません。

今の自然栽培・自然農法は、『畑を、自然の摂理でやること』です。

原則は、生えてくるものをそこに返す

土は、その場所に生えた植物の残さでできています。

①お米の稲わらでできる土は、水田の土。
②畑のいもがらでできた土は、畑の土。
③木の葉っぱでできた土は、山の土。

自然界は、その場で生まれたもので、循環します。

私たちの選択が未来をつくる

自然栽培・自然農法は、肥料や農薬を使用せず、野菜が本来持つ自分の生命力を存分に引き出します。

自家採種を繰り返し、病気や虫に強に強い野菜となっていきます。

消費者も安心して食べることができるし、生産する農家さんも安心して元気に栽培できる。

自然栽培・自然農法は、地球環境・生態系にも悪影響を及ぼさず、土や水もキレイになります。

私たちが日々、何を選択して購入し、何を使うか、何を食べるかで、

社会・自然環境・私たちの体・腸内環境など、全ての未来は変わっていきます。

自然の中にこそ人間が学ぶべき仕組みがあります。

同じ自然界・地球に生きるものとして、共に生活に生かしていきたいですね。

 

 

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